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スピーカーの左右バランス(音量)調整と極性

  • 執筆者の写真: elecgnd
    elecgnd
  • 2024年2月20日
  • 読了時間: 5分

更新日:12月5日

スピーカーの右と左でバランス/音量が違うなと感じる場合、主に


  • スピーカーケーブルが原因の場合

  • 無線機まわりの電源極性が原因の場合


があると思います。


※)もしスマホ+イヤホン/ヘッドホンでWi-Fiストリーミング再生をしてスピーカーと同様のバランスの崩れ方をしていたら、無線機まわりが原因の可能性が高いです(チェックの際にスマホの再起動、再生アプリのキャッシュ削除も行なっておくと吉)。


〜スピーカーケーブルが原因の場合〜


その場合、点検事項としてはまず第一には



・スピーカーケーブルの長さが揃っているかどうか(これが基本になります)


を確認します。


LとRの長さもそうですが、往き(+)と還り(−)(下の写真では二股に分かれている赤と黒)の長さが違っていると、特に大きく影響します。この点はラインケーブルや電源ケーブルにも該当するのでケーブルを自作されたり断線を直したりする方は留意されて下さい。


ここからが本題ですが、アンプ・スピーカー間の両末端が以下の写真のようになっていると音量感に差が出てしまいます。


スピーカーケーブルに起因する左右音量差 ①
ノーマルモードノイズというノイズの影響が写真では右の方に顕著に出ます。
スピーカーケーブルに起因する左右音量差 ②
一旦、左側も同様にしてしまって、
スピーカーケーブルに起因する左右音量差 ③
撚り合わせた上、末端接続に必要な長さを余らせて接続し直します。

※ 撚りのピッチも極力揃えましょう。


〜上記のケースに該当しない場合〜


コンセント経由か無線経由のノイズを受けている可能性があります。コンセント経由のノイズ対処法はコチラに書いています。フェライトコアだけ必要になります。


とりあえず簡単なチェックですが、オーディオに使用しているコンセントから、壁づたいに辿った別コンセント(分電盤を挟んだ先はチェック不要)で、電源プラグが中途半端に挿さっている箇所があったらしっかり挿し直しをしてみてください。


また、オーディオに接地(アース付き)コンセントを使用している場合はそこ以外の接地コンセントに挿さっている家電のAC電源極性をチェックの対象にしてください(アースを取っていないもの含む)。(こちらは分電盤に関わらず全箇所)


〜無線が原因の場合〜


Update 2025/12/3


無線が原因と見られる場合、可能であれば部屋のLED蛍光灯の配線を抜いてバランスを確認してみてください。



もし症状が解消された場合、照明のタイプにもよると思いますが、プラグが電源コンセントのようにひっくり返して挿せる場合、配線のコードを撚り、それまで挿さっていた向きと逆向きに挿し直すと安定すると思います。


〜〜〜〜〜


オーディオ機器がWi-Fiに接続している場合、アクセスポイントを他の端末と共用しないのが理想です。


が、「そんなの無理」という場合も多いと思いますので、周波数帯で縁切るのが良いかと思います(5GHzをオーディオに割り当て、その他の端末は2.4GHzを使用、など)。


これも厳しい、もしくは改善がない場合、オーディオシステム内の機器が接続している無線LAN、Wi-Fiルーター周りの電源極性を見直してみて下さい。


対象の機器はWi-Fiルーターに有線で繋がっていて、電源スイッチのある機器もしくはスリープする機器です。


分波器などを経由してTV、チューナー、レコーダー、USBハードディスク等が繋がっているケースは結構あると思います。ACアダプタの機器が多いと思いますが、これらの機器の電源プラグをひっくり返して挿し直します。


注意点は、挿し直した後、一度は電源を入れた方が良いですが、電源がOFF(又はスリープ)の状態で左右バランスの判断をするという事です。


※)USBハードディスクに関しては、例外的にデータの読み書きがされている状態の方が判断しやすいようです。



例外はあると思いますが、基本的に写真のようなACアダプタ(左右とも同一のものです)は左が裏、右が表として扱うのが良いと思います。電源コードがアダプタ本体に直付けされているタイプは、右の写真の向き(コードの文字が下になる向きでコンセントに挿す)で様子を見てみてください。



アダプタの本体にコードを接続するタイプ(メガネ端子)

ACアダプタ メガネ端子


もこれにならう形で良いのですが、差し替える際にコードのメス側も一度外した方が良いようです。コンデンサの放電によるものか、その方が明らかに判別しやすくなります。


他に判別しようのない形状も多いですが、その場合は仕方ないので聴いて判断。。


Wi-Fiに接続されている端末(スマホ・タブレットなど)が充電器で充電されている場合、充電器も極性チェックの対象にして下さい。


※こちらの環境での印象ですが、ステレオの右チャンネルが曇ってバランスが崩れるのが、この点の見直しで解消されます。


実践方法は以上になります。以下は極性に関する私見です。



おそらく電源極性を入れ替えて音質に影響が出るのは機器やACアダプタ内部のスイッチング電源の片切りスイッチによって電流路の平衡(往き線と還り線の長さの均等さ)が崩れ、結果として位相のズレが生じるのが原因と見ています。


この場合、機器の電源が入っていない状態の方が影響が顕著に出るので、急に再生音が変になったように感じたりしたときは、何かの機器がオフやスリープになったか(充電器の場合はデバイスの満充電によるアダプタの給電停止)をチェックしてみると原因特定がしやすいと思います。


かなり判断は難しくなりますが、MacBookなどのMagSafe、iPhoneのLightning、USB-Cなど、上下をひっくり返しても挿せるタイプのコネクタも左右バランス(位相)の崩れる原因になっています。


「MacBookの充電中は問題ないが満充電になると様子がおかしい」と感じる場合、MagSafeコネクタかAC電源コードのどちらか、もしくは両方をひっくり返して挿し直すと改善すると思います。iPhone/Lightningの場合も同様です。


「シャーシ電位を測って低い方が良い」という話もありますが、2ピンプラグの機器はほとんど無極性プラグであり、ACアダプタの機器などももちろん有意の電圧差は出ません。にもかかわらず極性が信号に影響するのは何故かと考えると、上記の理由、及び対処法となっている次第です。

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