スピーカーの左右バランス(音量)調整と極性
- elecgnd
- 2024年2月20日
- 読了時間: 4分
更新日:3 日前
どうもスピーカーの右と左でバランス、音量が違うなと感じる場合が結構あるようです。
その場合、点検事項としてはまず第一には
・スピーカーケーブルの長さが揃っているかどうか(これが基本になります)
を確認します。
LとRの長さもそうですが、往き(+)と還り(−)(下の写真では二股に分かれている赤と黒)の長さが違っていると、特に大きく影響します。この点はラインケーブルや電源ケーブルにも該当するのでケーブルを自作されたり断線を直したりする方は留意されて下さい。
ここからが本題ですが、アンプ・スピーカー間の両末端が以下の写真のようになっていると音量感に差が出てしまいます。

ノーマルモードノイズというノイズの影響が写真では右の方に顕著に出ます。
そこで

一旦、左側も同様にしてしまって、

撚り合わせた上、末端接続に必要な長さを余らせて接続し直します。
※ 撚りのピッチも極力揃えましょう。
〜上記のケースに該当しない場合〜
コンセント経由か無線経由のノイズを受けている可能性があります。コンセント経由のノイズ対処法はコチラに書いています。フェライトコアだけ必要になります。
とりあえず簡単なチェックですが、オーディオに使用しているコンセントから、壁づたいに辿った別コンセント(分電盤を挟んだ先はチェック不要)で、電源プラグが中途半端に挿さっていたり、ネジ締め式のアースコンセントのアース端子(こちらは分電盤に関わらず全箇所)が緩んでいる箇所があったらしっかり挿し直し、締め直しをしてみてください。
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下記は無線経由のノイズ対処法になります。
オーディオシステム内の機器が接続している無線LAN、Wi-Fiルーター周りの電源極性を見直してみて下さい。
対象の機器はWi-Fiルーターに有線で繋がっていて、電源スイッチのある機器もしくはスリープする機器です。
分波器などを経由してTV、チューナー、レコーダー、USBハードディスク等が繋がっているケースは結構あると思います。
ACアダプタの機器が多いと思いますが、これらの機器の電源プラグをひっくり返して挿し直します。
注意点は、挿し直した後、一度は電源を入れた方が良いですが、電源がOFF(又はスリープ)の状態で左右バランスの判断をするという事です。
※ USBハードディスクの場合、ホストの機器(TVやチューナー等)の電源を一度入れた方が良いようです。
2025/5/20 UpDate
例外はあると思いますが、基本的に写真のようなACアダプタ(左右とも同一のものです)は左が裏、右が表として扱うのが良いと思います。電源コードがアダプタ本体に直付けされているタイプは、右の写真の向き(コードの文字が下になる向き)で様子を見てみてください。
アダプタの本体にコードを接続するタイプ(メガネ端子)

もこれにならう形で良いのですが、差し替える際にコードのメス側も一度外した方が良いようです。コンデンサの放電によるものか、その方が明らかに判別しやすくなります。
他に判別しようのない形状も多いですが、その場合は仕方ないので聴いて判断。。
※こちらの環境での印象ですが、ステレオの右チャンネルが曇ってバランスが崩れるのが、この点の見直しで解消されます。
Wi-Fiに接続されている端末(スマホ・タブレットなど)が充電器で充電されている場合、充電器も極性チェックの対象にして下さい。
2.4GHzのWi-Fiや、Bluetoothとの干渉が疑われる場合はコードレス電話の親機、子機も対象になります。
またシステム内PCの配線に変更を加えた場合(極性やアース配線)、スマホの再起動も併せて行うと良いと思います
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実践方法は以上になります。以下は極性に関する私見です。
おそらく電源極性を入れ替えて音質に影響が出るのはスイッチング電源の片切りスイッチやヒューズの挿入によって信号経路の平衡(往き線と還り線の長さの均等さ)が崩れ、結果として位相のズレが生じるのが原因と見ています。
この場合、機器の電源が入っていない状態の方が影響が顕著に出るので、急に再生音が変になったように感じたりしたときは、何かの機器がオフやスリープになったかをチェックしてみると原因特定がしやすいと思います。
「シャーシ電位を測って低い方が良い」という話もありますが、2ピンプラグの機器はほとんど無極性プラグであり、ACアダプタの機器などももちろん有意の電圧差は出ません。にもかかわらず極性が信号に影響するのは何故かと考えると、上記の理由、及び対処法となっている次第です。
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