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ノイズ対策シリーズ④家電 コンセント経由のノイズ

  • 執筆者の写真: elecgnd
    elecgnd
  • 2022年10月30日
  • 読了時間: 9分

更新日:7 日前

家電のノイズ対策というと家電側にノイズフィルタを入れるケースが多いようですがここでは使用機材側で対処をします。方法論としては”機器のアースと壁コンセントのアースを分離する”手法になります。

日本の壁コンセントは片線がアース(接地)されています。そのことにより屋内の電源配線は不平衡回路を形成しており、コモンモードノイズというノイズを運んできます。


このノイズが機器のグラウンドに乗ってしまうと使用機器以外の家電の動作やプラグの抜き差しに影響を受けると考えられます。通常は絶縁トランスで対処しますが、もう少し手軽で同様の効果を得られる方法かと思います。



〜ACアダプターの機器〜


まず、対処が不要な機材を挙げると、意外かもしれませんが電源がACアダプターの機器です。基本的に一次側と二次側は電気的には、機器のシャーシ外で、一旦絶縁されているためです(リニアorスイッチングは問わず)。


ただ、ACアダプタ機器(スイッチング)が電源OFFまたはスリープしたときに様子がおかしくなる場合は、AC電源プラグのプラスとマイナスをひっくり返して挿し直してみてください。



〜3ピンAC電源の機器〜


※以下はノイズ経路の理解を目的とした説明であり、必ずしも安全接地の無効化を推奨するものではありません。

3ピンの機器は電源のアースピン=機器のグラウンドですので、ここがコンセントからのノイズ(コモンモード)の入り口になります。


アースを繋いでノイズが出る?と戸惑われたり、意味がわからない、というかたもおられると思いますが・・


・・コンセントのアース工事をされた方にはちょっと悲しい話ですが3ピンコンセントの接地極とマイナス極がテスターのチェックで導通が出る場合、このコンセントは他所のコンセントとより強く繋がることになり、結果としてノイズを集めてしまいます。


その場合、機材の接地を避けるか、もしくはアースラインノイズフィルタを経由した接地を行うか、をしない限り家電からの影響は免れないでしょう。「電磁波対策でアース(接地)を」というかたも、逆効果になってしまいます。


またもしアースが単独の接地点に繋がっているとしてもコンセント〜接地点までの線路が共通インピーダンスというノイズ源を形成します。これを避けつつ接地するには各々の機材から接地点まで直接アース線を引く必要があり、集合住宅などではとても現実的とは言えません。

以上の理由から、当サイトでは3ピン→2ピンの接地アダプタでコンセントのアースから浮かせ、アナログ機器同士は「一点アース」、デジタル機器同士は「ベタアース」という結線方法でアース端子をまとめています。 コンセント経由のアース=「保護接地」を行いたいのは山々なのですが、ノイズを避けるためのアース=「機能接地」を実現するためには、今のところコンセント経由のアースは避けざるを得ない・・ということになっています。

※注)3ピンコンセント接地極とマイナス極の導通確認をしてみたい場合はコンセントのプラス極とマイナス極が逆に配線されていると電源がショートしてブレーカーが落ちてしまいますので、必ずプラスとマイナスをテスターや検電ドライバーで確認した後にして下さい。


※ 上記に該当するコンセントをオーディオなどに使用する場合、そこ以外の接地コンセントに挿さっている家電のAC電源極性をチェックの対象にしてください(アースを取っていないもの含む)。



〜2ピンAC電源の機器〜



最後は2ピンAC電源の機器、これは実際には機器内部で直流に変換されているはずですが、この電源線にノイズフィルタ(フェライトコア)を入れます。フェライトコアは高周波の不要輻射対策で知られていますが、もう一つの効用がトランスのような"電流→磁束→電流"という変換プロセスです。コアに電流が流れると電気が磁気に変換され、再び電気に戻ります。


↑フェライトコアの場合、正確には高周波のノイズ成分に対しては、”電流→磁束→熱”というプロセスで働き、この点はトランスと異なる部分です。

これでもってコンセントの片線アースの影響(コモンモードノイズ)を切ることができます。



”〜ただ電気ばかりで信号を伝達しようと思うからコモンモードノイズが邪魔になるのである。途中で磁気という電気以外のものを利用しているからこそアースに無関係に信号を伝達できるのである。これが「アースを切る」一番よい方法。”


伊藤健一 著「アースとパルス」より



装着位置はオスプラグ側にフィルタ本体の長さ÷2くらいの間隔を取った辺りが良いと思います。おそらくこの位置が最も電力ロスが小さく済みます。


電源プラグ+フェライトコア


装着後のフェライトコアなのですが、コア本体が物に触れている(カーテンや床、机、他のケーブルetc)と、どうも効きが怪しくなるようなので、クランプしている箇所以外は他に何も触れないようにしておくのが無難です。



システム外の接地コンセント(洗濯機周りやキッチンなど)で接地極とマイナス極の導通が出る場合に限られるかもしれませんが、ここの空き口での機器の抜き差しが行われると極性に関わらず、ノイズが出てしまうようです。 よくありそうなのは浴室の洗濯機コンセントでのドライヤーの利用などです。 このノイズは一時利用の機器(ドライヤー)をコンセントから抜くと顕著になるのですが、屋内の接地された機器、洗濯機、電子レンジ、冷蔵庫、エアコン(200V含む)などを全て一旦コンセントから抜き、挿し直せば解消できます。ただ、コンセントの一時利用のたびに挿し直すのは避けたいところですので、必要な機器は挿しっぱなしにしておくか、避けられるなら一時利用の家電は別のコンセントを使用するのが良いと思います。



接地/アースを使用している、なおかつ接地極とマイナス極の導通が出るコンセントに、通常の家電を追加で挿して使用する場合、そちらの電源コードに上記と同様、フェライトコアを入れておくとノイズを抑制できるようです。



家電側へのフェライトコアは基本的にあまり良い効果は得られない印象なのですが、この場合は例外的に効くようです。アース線のネジ締めも被覆が噛まないようにして、しっかり締めておいた方が良いです。

注)フェライトコアの効果の良否判断なのですが、単に出音が「柔らかくなった」「丸くなった」場合は「否」とし、装着しない方が良いと思います。またコアの着脱はコードを抜いた状態で行った方が効果を見定めやすいです。


〜 上記のノイズ対策の例外 〜


システム外の家電系スイッチングACアダプタから発するノイズ対策は、こちらに改めてまとめました。→ノイズ対策シリーズ②スマホ等充電器


一般家電系で負荷のないACアダプタ(端末の繋がっていない充電器など)や、電源スイッチが片切り方式の扇風機などは逆配線コンセント同様(下記参照)、条件次第で水際対処の難しいノイズ(伝送路でコモン→ノーマル変換されたノイズ)が出るようです。


① 逆配線コンセント

2Pコンセントの屋内配線が逆(左が電圧側)になってしまっている場合、そのコンセントで一般的な家電が動いていると、防ぐのが困難なノイズ(※ノーマルモードノイズ)が出るようです。


※伝送路でコモン→ノーマル変換されたノイズ。これは理屈の上では絶縁トランスも素通りします。


コンセントの穴に検電ドライバーを挿すと電気が来ている方(通常は右の口)でランプの点灯や音などで反応するので、チェックできます。左の写真は正配線、右の写真は逆配線です。

これを避けるには逆配線コンセントの使用を控えるか、工事を依頼して配線を正配線に直してもらうしかないようです。 Q 「コンセント穴が逆さまなら、挿す向きも逆にすればいいのでは?」 A 一般的な家電や、ACアダプタにはノイズフィルタが内蔵されているのですが、フィルタは”コンセントの非電圧側(電圧の低い方)にノイズを捨てるようになっています。 従って逆配線コンセントでそれが行われると、他の正配線コンセントにとっては電圧側にノイズを捨てられている形になり、プラグをどちらの向きで挿してもそれは避けられないということになります。

注)以上はあくまで”壁コンセント”の話です。電源タップのコンセント穴の話ではないので留意されてください。

もし壁コンセントが正配線であるにもかかわらず、電源タップの穴の左が長く、検電ドライバーが左で反応してしまう場合は電源タップのプラグをひっくり返してコンセントに挿し直しておく必要があります。


② 照明用壁スイッチの屋内逆配線(?)


こちらは検電ドライバ等での確認が困難なので、スイッチの入切で体感してもらうしかないのですが、こちらも逆配線コンセントと似た症状が出ます。 ただ、照明用壁スイッチ(=片切りスイッチ)が逆配線の場合、壁でOFFになっている場合に症状が出るので、照明スイッチのON/OFFで影響を確認してみると良いでしょう。


リモコンでの消灯、他、壁スイッチが「入」の状態で消灯できれば解決策になると思います。


問題のあるスイッチはONにしておけばOKなのですが、そのスイッチを入切した時点で、点灯状態にある別箇所のスイッチにノイズ源が移るようです。その場合は該当する別箇所のスイッチを一旦OFF→再度ONにすると解消されます。



照明関係ですが、どうもコレ↓は避けたほうが良いようです。


天井蛍光灯
ソケットが宙ぶらりんに・・・

元々ついていた蛍光灯が劣化でつかなくなったり、割れたりしてしまって、「もう一本残ってればいいか」となり、それまで繋いでいた蛍光灯へ接続するソケットが宙ぶらりんになっているようなケースです。


屋内配線などにもよると思いますがこの状態で放置されていると、かなり顕著なノイズになる場合があるようですので、蛍光灯は横着せず、交換しておいた方が良いでしょう。



もし、壁スイッチがONでリモコンでの消灯時に問題が生じる場合や、手元(ヒモなど)での消灯時に症状が出る場合は、照明器具本体の接続部分を見直すと改善するかもしれません。

◆吊り下げ照明の場合


吊り下げタイプの照明ですが壁コンセント同様、検電ドライバで電圧側を調べて差し込み向きを確認します。右の写真は照明器具のプラグですが、配線が黒と白の場合は黒を電圧側に挿せば合うと思います。


・・・これは仕方ないので試して確認するのみ。。


◆LED蛍光灯の場合


照明本体のプラグがどちら向きにも挿せるタイプがあります。上記のケースより影響は小さいかと思いますが、ここの接続を見直す場合は必ず照明を消灯した上で行い、再接続後に一度は点灯状態にしてください。


※これら逆配線系由来の症状としてはオーディオの場合、主にステレオ左右バランスの崩れとして現れるようです。

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