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ノイズ対策シリーズ③アースループ (グラウンドループ)

  • 執筆者の写真: elecgnd
    elecgnd
  • 2022年10月15日
  • 読了時間: 4分

更新日:5月30日

まず重要なのはアースをとってループが問題になるのはアンバランス接続であってバランス接続はプロの現場のような長距離かつ複雑な配線でもない限り気にしなくても良いということです。


"アンバランス(不平衡)接続はグラウンドが信号の基準であるのに対して、バランス(平衡)接続は+線と−線がお互いを信号の基準とする"というのがその理由です。


電源アース(≒シャーシアース)をとっている方でRCAケーブルやTSフォンケーブル、同軸ケーブルを使われている場合はXLR接続、TRS接続など(機器の入出力端子もバランス用である必要があります)で代用できればそれが最善の解決法と言って良いでしょう。ちなみにUSBやHDMI、LANケーブルやFirewire/Thunderboltなども平衡接続(差動伝送)です。


※ LANに関してですが、シールドされたケーブル(STP)を民生機にお使いの方はシールドがアースから浮いてノイズ源になっている可能性が大ですのでシールドされていないもの(UTP)に交換した方が良いでしょう。


しかしながら一般的なレコードプレーヤーなどはRCA端子または直付けの出力でアースは信号接続先のフォノアンプやプリメインアンプに結線する事になっています。これは接続先機器の電源アース(≒シャーシアース)が浮いている前提になっており、アースされたシステムに組み込む場合には一手間かけてやる必要があります。


アンバランス伝送はマイナス線が機器のグラウンド(シャーシ、筐体)に接続されます。

バランス伝送のマイナス線は接続されないので、グラウンドから浮いています。


この時に伝送元と伝送先、両機器のシャーシがアースされているとアースループとなるわけですが、バランス伝送であれば信号は無害です。(※ちなみにこの時「ループを避ける為に、、」ということでシャーシアース(FG)を片方外すと”共通インピーダンス”という別のノイズ源が出来てしまいます。)


ループが出来ているかどうかでは無く、グラウンドに電流が流れているかどうか、電圧が発生しているかどうか、を気にすると良いと思います。


例えば1芯+シールドのアンバランスケーブルを使う場合、グラウンドにマイナス電流が流れますので、シャーシアースは厳禁です。浮かせる必要があります。通常のYケーブルなども1芯と考えて下さい。


2芯+シールドをアンバランスで使う場合もそのまま接続すると、シールドとマイナス線を同じ点に繋ぐ事になり、そのループに磁束が錯交→グラウンドに電圧が発生→機器間に電位差→ノイズ発生、、となってしまいます。


これを避ける為にはシャーシアースを浮かせるという話になってくるわけですが、そうなると機器が3台以上接続A→B→Cとされた場合、AとCの間に電位差が現れます(先述の共通インピーダンス)。これが「一点アース」が必要とされる理由です。


以上のことから、アンバランス接続でアースループと共通インピーダンスをどちらも避けるには、2芯以上のケーブルでシールドを片側開放しループを切った上で各機器のシャーシを一点アースするのが最善と言えると思います。


同じ内容ですが、コチラには同軸ケーブルやLANケーブルなどの場合も紹介させて頂いています。


レコードプレーヤーの場合での具体的な手法を書きました。



以下は当HPから転載です。


アンバランス接続はグラウンド(GND)に電流が流れますので、対処なしでシャーシからアースを取ろうとすると逆効果になります。

通常、アンバランス接続を主体とした機器、レコードプレーヤーやプリメインアンプなどは2ピンの電源プラグであり、信号線のGND(シグナルグラウンド/SG)のみで接続先機器との電位を一致させます。


アンバランスはマイナスとGNDが兼用ですので、この場合GND(SG)にマイナス電流が流れます。


その上でFG(フレームグラウンド/シャーシアース)をとってしまうと電流が流れるループが形成されてしまうので、アンバランス主体の機器は基本的にFGを取らない仕様になっており、そのまま使うのが適正です。


2025/5/24 追記


「バランスにしてもいまいち・・」というかたはコンセントのアースを見直してみて下さい。コンセントのアース極とマイナス極に導通が出る場合などは接地を避けない限りバランス伝送は不可能であり、コンセントのアース(接地極)に繋ぐことで自らアースループを作り出す形になってしまいます。

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