コンセントのアースの是非
- elecgnd

- 2025年5月30日
- 読了時間: 7分
更新日:5月30日
電源プラグが3ピンの機器には「必ず接地してください」「適切なアースを」などの指示がされていますが、日本国内におけるアースコンセントの事情、特に”コンセント〜接地点までの経路”は考慮されているのか?という疑問があります。
日本の一般的なアース付きコンセントはアース極とマイナス極がテスターで導通が出ることがあるようです。

~~ 以下、コンセントのマイナス(中性線/ニュートラル)は”N”
コンセントのアース(保護接地/プロテクティブアース)は”PE” として略します ~~
帰還電流がそのままアースに流れているわけではありませんが、この場合コンセントから先の接地線(PE)が中性線(N)とのループを形成しており、Nにはもちろん屋内のその他電気製品の帰還電流が流れていますので、電子機器の接地端子がコンセントのPEを通じてNと繋がる形になれば、ノイズが乗りやすくなるのは当然ではないかと思います。
※)マイナスとアースの導通確認をしてみたい場合は、コンセント内のプラス極とマイナス極が逆に配線されている場合、電源がショートしてブレーカーが落ちてしまいますので、必ずプラスとマイナスをテスターや検電ドライバーで確認した後にして下さい(3ピン接地コンセントなら大丈夫かとは思いますが、2ピンコンセントでは特段珍しくはないと思います)。
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このNとPEがどこで繋がっているのかを調べるのは、一筋縄ではいかないようです。
一説には「B種接地とD種接地の共用」と言われる接地点における接続。
また別の可能性としては、屋内に接続された機器の内部ノイズフィルタにおいて。
(これは該当する機器が壁コンセントを使用しているなら外して調べることでテスターの反応は出なくなるはずですが、コンセントを経由していない換気扇系統や照明系統などが該当していた場合、外して調べることは困難になります。)
または単なる誤配線という可能性。
いずれにしても、ノイズ対策の面から見てNとPEに導通が出た場合、それは無視できないと思います。
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もちろんこのコンセントでも機器の接地はされ、感電対策/保安の面ではOKと思われますがその反面、オーディオの音質やディスプレイの画質、PC性能の向上など、ノイズ対策上のアースとして有用か?というと「・・・?」というのが当サイトの趣旨です。
何よりその他の無線系デジタル家電、スイッチングACアダプタ、スマホやBluetooth端末の充電器などからの高周波ノイズを拾いにいく形になってしまいます。
※)200V(単相3線式)を引いてダウントランス経由で機器を運用する場合はNには100V系統からの負荷電流が流れてこないので、上記のような心配はないと思います。しかし、特にアナログオーディオの場合(トランスの一次側は接地しなければなりませんが)、別の理由(下記参照)から機器のアースを接地に繋ぐことは避けた方が良いと思います。
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◆コンセントのマイナス(N)とアース(PE)に導通が出ない場合
上記のケースに比べればまだ良いと言えるのですが、それでもコンセントのアースを経由した接地に繋いだ時点で、おそらく一点アースが不可能になるという点を挙げておきたいと思います。
※)一点アースは使用機器がフルデジタル環境であれば「必須」とまでは言い切れませんが、レコードプレーヤーやアナログのミキサーやアンプ、またアナログ機器でなくとも二次側と分離されたACアダプタの接地極などは一点アースが必要な機器に分類されると思います。
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以下は当HPからの転載です。
◆ 一点アースと保護接地の両立に関するジレンマ
〜〜以上のアース配線はいわゆる「機能接地」としての最善を追求した結果なのですが、

これを保安のための接地「保護接地」と両立させるとなると、(あえて極端な言い方をすれば)上記の端子台/コネクタに対して行った配線を””規定の抵抗値(100Ω以下など)を満たした地面に接地されたアース棒に対して行わなければならない””ということになります。
これが一般的な環境において現実的ではないというのは想像に難くないと思います。「一点アースは理想論」という意見も保護接地との両立を前提とすれば妥当と思います。
端子台/コネクタから追加のアース線を引いて大地接続(接地コンセント経由)を行えば保護接地は達成できるのですが、そうなると端子台〜接地点までの配線、および接地点のアース棒が””追加された導体””として作用してしまい、一点アースをしたつもりの配線が”共通インピーダンス配線”という機能接地の目的と矛盾した配線に化けてしまうというのがここでいうジレンマです。
「一点アース」は共通インピーダンスを避けるための配線ですので、この場合「保護接地」の観点からはアースされているが、「機能接地」の観点からはアースから浮きあがっている、という状態になります。この点もいわゆる”アースの難問”とされる部分と言えると思います。
〜転載おわり
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いわゆる”接地”は「保護接地」と「機能接地」に大別されますが、
「保護接地」は人体と機器/系統の保安を目的とする。漏電などの事故が起きた際に大地に電流を逃すことで人体の保護や機器/系統の損傷防止を図るもの
「機能接地」は機器間や信号経路のアース電位を一致させてアースに電位差を作らないことで信号品質の向上、安定を目的とする。
「アースにノイズを流す」という言説は、これらが混同されています。
機器間のアースと接地点に電位差が存在せず、漏電も起きていないとすれば、アースに電気は流せないのではないでしょうか。必要としない周波数成分がノイズなのであって、ノイズ=漏電ではありません。余分な周波数成分をフィルタリングしたとしてもノイズを消費してくれるのは抵抗だけです。
〜"「アースすると、そこで電流は消えてなくなってしまう」と、思い込んでいる人ばかり。かく言う著者も30才頃まで、そう思っていた。"
伊藤健一 著 「イラストでよむアースとノイズのはなし」より〜
〜“電気回路を学び始めるとまずキルヒホッフの法則が必ずでてくる。〜その第一法則にいわく「導線網中の任意の1点に流入する電流の代数和は零である」と。いま任意の1点をアースとして〜第一法則を書きかえてみよう。すると「アースに流入する電流の代数和は零である」ということになる。いいかえると、アースに流れ込んだ電流があれば、アースより流れ出す電流がなければならぬのである。”
伊藤健一 著 「アース回路」より〜
〜"電子部品にはLCRの三つがあるが、その中でエネルギーを消費してくれるのはRだけで、LとCは吸収はするが、すぐ吐き出してしまう"
伊藤健一 著「ノイズと不要輻射のはなし」より〜
※抵抗値が低いほど「優秀なアース」とされていますがあくまで保護接地として優秀なのであって、「ノイズを消費させる」というのであれば低い抵抗値を目指すのは矛盾しています。ノイズが流れやすくなっても、消えてはくれません。また「グランドナイト」のような、接地線用のフィルターが効いたのであれば、そこに電気が流れてはいけないことを証明していると思います。
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というわけで、「ノイズ対策」を目的としてコンセントの接地を利用することはお勧めできません。
オーディオでコンセントのアースをとって”艶が出た”、”高域が伸びた”というかたは、おそらく他所のコンセントからの高周波(コモンモードノイズ)にさらされているケースが多いのではないかと思います。
もしガマンして聴いている感覚(頭がキンキンしたり、顔がつっぱる、肩、首がこる、長時間聴いていられない、など)があるなら、以上の観点からコンセントによる接地というものを見直してみてはいかがでしょう?という次第です。
皮肉なことですが「機能接地」というのはコンセントを通じて、まさにその「接地」を行うことによってその「機能」に支障をきたしてしまう・・というのが当方の見解です。
この「機能接地」という用語そのものがアースについて考える際に混乱を招いてしまっている側面があると思います。
〜 追記 〜
もし接地コンセントを避けて、高域が寂しくなってしまった場合には、まず先にシステム内各所のプラグの色あわせをチェックしてみることをお勧めします。
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