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アースの目的

  • 執筆者の写真: elecgnd
    elecgnd
  • 2025年1月11日
  • 読了時間: 4分

更新日:2025年11月20日

よく「アースの矛盾」や「アースはよくわからない」という事が言われますが、"アースは電気を流すところ"または"ノイズを逃すところ"という考えに原因があるのではないでしょうか?


保安、感電防止を目的とした"接地"に起因する先入観とすれば無理もない話かと思います。

が、本来のアースの目的とは何でしょうか?


アース接続を行う目的は、接続元と接続先との等電位化、と言えると思います。


保護接地/機能接地、電力関係/エレクトロニクスのGND配線、などアースの種類は様々ですがこの点は共通であり、矛盾は無いと思います。



〜保安目的のアース、避雷、感電防止、混触防止〜


感電防止の場合、機器と大地を接続する事で、結果的に人体とも等電位化されます。電位が同じ場合、電気は抵抗が低い方に流れます。


人体の抵抗値は勿論手が濡れているなどの状態によって、変動しますが2kΩ〜5kΩとみて良いようです。保安接地でアース抵抗値が規定されている(100Ω以下など)のはこの為なのではないでしょうか


「大地に電気を流すため」と解釈してしまうと"アースは電気を流すところ"という考えに繋がります。


「漏電時に人体に電気を流さないため」、そもそも漏電そのものが事故であって、その際であっても人体に被害が及ばないようにするためのアースが「保安接地」と言えると思います。車で言えばシートベルトやエアバッグに近いものと言って差し支えないのではないでしょうか。


"大地との等電位化"の結果として人体の保護、系統の保護(B種接地による高圧回路からの低圧回路の保護など)が達成されているという事になると思います。



〜ノイズの観点からのアース、機能接地〜


「アースにノイズを逃す」と巷ではよく言われています。


が、しかしアースに電気が流れているという事は、それ即ちコモンモードノイズが発生している状態と言えます。


アース接続によって機器間の電位差を無くし、コモンモードノイズの発生を抑止するのが機能接地の目的です。


静電シールドや電磁シールドをアースする際も同様です。"シールドで外来ノイズを受けてアースに流す"という言い方がされますが、アースにノイズを流せるのなら、外来ノイズ以前に電位差によるノイズが発生しています。


アースに電気(ノイズ)が流れている事(もしくは流す事)は各機器のアースに電位差がある事を前提としますので、機能接地の目的と矛盾しています。


コモンモードノイズの発生というのは2点間のアースの間(機器シャーシGND間)に電位差が存在する事で電圧が発生し、アースに電流が流れる事を指します。


適切にアースされたシステムであれば機器間は等電位であって電位差は無く、アースに電気を流す事は不可能になる筈です。


※)こちらも車に例えるなら”車の流れ”が電流、”道幅”が電圧、ガードレールや車線、または路側帯/分離帯など”道幅を定義するもの”がアースと言えると思います。道幅を越えて走行している車(電流)がコモンモードノイズであって、その結果「電圧が揺れる」。。


アンバランス(不平衡)接続はこの点ではむしろ例外であって”往路が車線”、”復路が歩道”なので、その復路は他の道に繋いではならない(グラウンドループ発生)と言えるでしょう。


もし電気が流れてしまっているのであれば、そうならないようにする、流れている電気を減らそうとする事がノイズ抑制の為のアース配線であり、能動的に「アースにノイズを逃す」という考えはコモンモードノイズを自ら発生させかねない事になると思います。


特に高周波の場合、”流れてほしくなくても、流れてしまうケース”が多いからこそ、せめて電気が流れてしまう箇所は””インピーダンスを減らす””、不要輻射を減らしたい場合は逆に”抵抗を増やす”などのアプローチが取られているのだと思います。


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以上の点から、いかなる場合の接地、アーシングであっても、アース接続の目的はまず、接続先との等電位化であり、その結果として人体の保護や機器の損傷防止、ノイズ抑制、などが達成される。という解釈であれば矛盾は存在しないと言えると思います。


お読みくださった方、ありがとうございます。

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